行列のできる法律相談所がなぜ面白いのか

なんであの番組はこうも面白いのだろうか。島田紳助の話術の高さか?弁護士や東野の絶妙なアシストがあるからか?俺が思うにあの番組の心臓は圧倒的に優秀な番組の制作スタッフにある。


行列は明らかにあらかじめ決められた話をアドリブのように見せかけてやっている。紳助のアドリブのような話でもある程度は打ち合わせ済みであろうことが節々から伺える。だからこそ一つの話が長くならない。テレビで編集しやすいように区切りやすいように話が完成されている。


その一つ一つのチャプターに分けられた話の見せ方が他の番組よりも圧倒的に上手い。他の番組では次の話を見せる時は予告として不完全な形で見せる。モザイクをかけたり、話のはじめだけを見せたりする。しかし行列では一番面白いところのエッセンスを抜き出して完全な形で視聴者に見せる。モザイクも音声処理もなしで、そのシーンの一番の山場をそのまま予告のVTRとして見せる。これは本当に効果的だ。CMを開けた後にどんな面白いトークがあるかが視聴者に完全な形で伝わる。テレビの十八番である肩すかしの可能性が限りなく低い。安心して視聴を続けることができる。


さらに、その予告の見せるタイミングも絶妙だ。トークをチャプターに区切った本編の間に予告を入れてくる。予告と言っても本編の面白さを抜き出した予告だ。これから番組がどのように進むのかどのような面白いおもてなしを用意しているのかを視聴者に理解させる。重要な予告は何度も見せる。何度も同じ映像を流すと視聴者が飽きるので、少しずつ映像をずらしたりして変化させる。本編の完全版を見たいなと思わせる。スタッフすごい。


最近のテレビ番組は見ている途中で飽きてしまうというものが多い。続きが気にならないものがほとんどだ。それは、続きにどんな面白いコンテンツがあるかを知らないからだと思う。しかし行列のスタッフ違う。彼らはとにかく視聴者に番組の面白い部分を説明する。変な小細工無しでとにかく説明をする。あとは紳助に乗っかるだけである。


日本人はもっと行列のできる法律相談所を評価すべきである。