ドイツのカードゲーム「ゴキブリポーカー」がいま僕らの中でアツい

ごきぶりポーカー



ゴキブリポーカーというドイツの伝統的なカードゲームがある。これが今、大学でつるんでいる僕らの中で「ゴキポ」という愛称で大ブレイクしている。他の大学生達が麻雀やらカラオケやらに精を出している間に、僕らは害虫のカードゲームでニヤニヤしながらせっせと遊んでいる。

ルール

ゴキブリポーカーには8種類の「害虫のカード」がある。「ゴキブリ」「カメムシ」「クモ」「ハエ」「コウモリ」「サソリ」「ネズミ」「カエル」の8種類だ。これが1種類につきそれぞれ8枚の計64枚で構成されている。このカードを参加するプレイヤーに均等に配る。


プレイヤーは自分の番が来たら、自分に配られた手札の中から一枚のカードを選び、好きな相手に「カードを伏せて」渡す。その際に渡したカードが何であるかを「これはカメムシだよ」と相手に伝えるのだ。ちろん伝えるカードは「嘘でもかまわない」。カードを渡された相手は3つの行動の選択肢がある。

  1. 「このカードはカメムシである」と宣言し、相手の言葉を信じてカードをめくる
  2. 「このカードはカメムシでない」と相手の言葉の嘘を宣言し、カードをめくる
  3. 何も宣言せず、カードの表を見て、新たに別の相手に回す

まずカードの真偽を言い当てるのはわかりやすいと思う。この際にカードの真偽を言い当てた場合は、カードを渡してきたプレーヤーの場にカードの表を向けて置く。自分の場に同じ種類のカードが4枚集まったらそのプレイヤーの負けだ。カードの真偽を間違ってしまった場合はそのプレイヤーの場にカードが加わる。


そしてこのゲームの肝は3の「カードを別の相手に回すことが出来る」ということだ。カードを別の相手に回すときには、また新たに「このカードが何であるのか」を宣言する必要がある。その時は先ほど回ってきたときのものと同じ物を被せて宣言しても良いし、全く別のものを宣言しても良い。この辺りの心理戦がこのゲームを面白くする。カードを別の相手に回すというのは「カードを当てられるリスク」を負うということだから、3だけやれば良いということではない。


勝敗は「場のカードで一種類の害虫のカードが4枚集まってしまったプレイヤー」か、「手札のなくなったプレイヤー」の負けでゲームは終わる。

面白さ

このゲームは4人くらいから面白くなると思うのだが、心理戦が抜群にわくわくする。「カメムシで3人回ってきたけど、これは本当にカメムシなのか…?」「すでに二枚場にもっている佐藤にゴキブリをとらせたい…直接行くとバレそうだ…いったん田中に回してワンクッション置けばばれないはず……ネズミと言って田中に回そう」


慣れてくるとチームワークというものが効いてくる。実はこのゲーム、カードがパスされて回されれば回されるほど当てる情報が増えるため当てやすくなる。「こいつがさっきサソリと言われて、あいつにカエルでまわしたってことは…」などと考えやすくなるのだ。しかし、そこを狙ってチームワークで殺すということも出てくる。「今このタイミングでゴキブリが俺に回ってきたということは『あいつを殺せ』というメッセージだな…」などと言う無言のメッセージがやり取りされて、心理戦に拍車がかかる。


3枚同じカードを持ってしまってからがその人の実力が出てくる。次同じカードをとってしまったら、このゲームは負けになるのだ。コウモリが3枚あるとしたら、他のプレイヤーはあの手この手でコウモリをとらせようとしてくる。「これはコウモリだよ。信じてくれ」と言って手渡されると、「これはコウモリだ」と言ってめくるほか無い。コウモリでなかったら自分のところに他のカードが増えるだけだが、嘘を宣言してしまうと、コウモリだった場合に負けが決定するからだ。この心理を利用して、他のカードをとらせようとしてきたり、逆にそれを読み切ってしまったりすることもある。僕の場合は3枚たまったあとの心理戦が得意で、3枚までは追いつめられるけど、そこから負けることがほとんどない。


このゲームはやり始めるとたまらない面白さだ。一日中でもやっていられる。僕らがいつもたまり場にしている友人の家には、共有財産のこのようなゲームがたくさんある。一時はポケモンカードブームが僕らの中に到来して、みんなで金を出し合ってネットでポケモンカード大人買いした。今後もこのようなゲームが増えていく物と思われる。健全な大学生は麻雀などやっていないでゴキポをやるべきだ。