説明が下手な人はもっと抽象化パワーを身につけるべきだと思う

当たり前のことを当たり前にできる人間になりなさいと高校の恩師に何度も何度も言われて来たおれたちだから、当たり前のことを今日はかく。説明する上で対象を抽象化する力というものはとても重要だということは当たり前であるのだけれど、この超基本的なことが出来ていない人が自分は説明が下手だの言っているので、説明するうえでどうやって物事を抽象化するかについて書いておく。

抽象化とは

結構な人々が抽象化を「曖昧にすること」とか思っていて、抽象絵画は「なんか曖昧な絵」みたく思っているので始末に負えない。まず「抽象(abstraction)」っていうのは、「物事の共通部分を抽出して把握すること」だ。つまり、人の顔を抽象化してみると、何億という全くことなった「ひと」の顔の中で共通する部分を抽出して象形することになる。おそらくは横並びに目が二つ、その下に鼻が一つ、口が一つの絵になると思う。もちろん目なども線や点まで抽象化される。

抽象化をつかって説明する

そうやって物事を抽象化するのだけれど、物事を説明するときに抽象化を意識してないと説明が上手くいかなかったりする。たとえば全くリンゴについて知らない人にリンゴを説明しなければならないとすると、説明が下手な人は「リンゴっていうのは日本だと青森だとかでたくさんつくられていてね、白雪姫の童話に重要なアイテムとしてでてきたりしてね、知恵の木の実とかともいわれているようなやつだよ」みたいなよくわからない説明をする。


抽象化を使って説明する手順は

  1. 説明したい物事の具体例を複数用意する
  2. 複数の具体例を抽象化する
  3. 抽象から具体へ説明していく

となる。


上記の例で抽象化を意識すると、まずは様々な種類のリンゴについて考える。ブランド、形、色、味、植生。そして、多くのリンゴに共通している部分について抽出して、それを説明する。すると「リンゴっていうのは丸くて赤い果物だよ。中心に芯が通っていて、そこの周りの身が甘くておいしいんだ」という簡潔なわかりやすい説明になる。上記の青森だとか白雪姫だとかの情報はリンゴを抽象化する過程で捨象されるはずだ。


もっと例をだしておくと、友人に「Macのどこが良いの?」と聞かれたとして、友人に説明するためにMacの良さを自問してみると

  • Spacesで複数のデスクトップを使い分けられるのでアプリが整理されて便利だな
  • Exposeで多くのウィンドウの中から目当てのアプリに簡単にアクセスできて便利だな
  • Dockで常用するアプリにすぐにアクセスできて便利だな

みたいな点が浮かんできたとする。するとこれらを抽象化して、「Windowsよりも自分のやりたいことにすぐにアクセスできるよ」と説明すれば良い。さらに抽象化すると「WindowsよりもMacの方がUIが優れているよ」という説明になるのかもしれない。そういうときは「抽象から具体の方向へ」説明する。つまり、「WindowsよりもMacの方がUIが優れているんだ。そのおかげで自分のやりたいことにすぐアクセスできる。例えば複数のアプリを開いていてもExposeって機能で目当てのアプリが瞬時に把握できるし…」のように説明する。

抽象化力の鍛え方

抽象化パワーを鍛えるのは結構簡単で、なにか複数のものを抽象化していけば良い。道を歩いていて「信号」と「看板」が見えたら「この二つは抽象化すると、高い位置に設置して人々に情報をおくるものだな」とか考えていく。始めは二つのものを、慣れてきたら三つのもので抽象化していく。こんなことを暇なときにやっていけば結構身に付いていく。

まとめ

説明する手順は

  1. 説明したい物事の具体例を複数用意する
  2. 複数の具体例を抽象化する
  3. 抽象から具体へ説明していく

ブログもプレゼンも一緒です。簡単ですね。