Livedoor Readerとネイピアの骨は似ている

LDRは僕のネット生活を劇的に変えた。手に入る情報量は倍増して、全てのサイトへのアクセスはLDR経由となった。RSS関連のエントリを見ていると「RSSでは全文配布するべき」だとか「RSS上で記事を読むのでフィードを吐くとアクセス数が減る」とかいう意見をたまに見かけるけど、LDRを使っていると全くトンチンカンなこと言ってるなー、とか思ってしまう。RSSリーダー上で記事を読んでいるのは少し理解できなかったりする。


LDRが大量の情報を処理できるのは、「情報の取捨選択」と「情報の取得」を完全にわけて行えるからだ。LDRは基本的にキーボード上で操作する。フィード間をキーボードで移動して読みたい記事にがんがんピンを立てて行く。このときは情報を取捨選択することのみに集中できる。何も考えずに読みたいと感じた記事を機械的に拾い上げて行く。そしてキーボードの「o」を押して、ピンを立てた記事を一気に開き今度は読むことのみに集中することができる。情報の処理を二つの作業にわけただけで驚異的な処理速度を生み出す。


インドに伝わる計算方法で「ネイピアの骨」というものがある。ここを読めば分かると思うが、これは表の上側と右側にかけ算をしたい数字を書いて、表の中にその数字を掛け合わせたものを書いて行き、最終的にその数字を足したものが答えになるというものだ。やってみるとわかるが、この計算方法は桁数があがればあがるほど普通の筆算よりも速くなる。僕は化学などで大きな桁数のかけ算をする必要があるときには、いつもこの方法で計算していた。
何故、桁数が上がるとこの方法が有効になってくるかというと、この方法ではかけ算と足し算を分離して計算しているためだ。普通の筆算ではかけ算と足し算を並行して処理して行く。


人間は仕事を分離して、同じことをまとめてやることで効率化を図って来た。複雑な作業を単純な要素に分解して、流れ作業で処理をする。営利企業などの仕事を効率化をつきつめていくと、ただこれだけのことだと思う。これに大量にフィードを管理する能力を与えたのがLDRだ。「作業の分離」の他にも、情報の重要度や新着情報の管理など、洗練された機能が備わっている。普通のRSSは情報を管理しているだけで、結局は情報の選択と取得を並行してやらなければならない。あまりブラウザ上で読むのとかわっていない。


こうゆうインフラは使っていてとても気持ちいい。使っていると根拠のない無敵感を感じることができる。作業の効率化を極限まで単純化したLDRは本当に素晴らしいと思う。
書いていて思い出したのだが、LDRオープンソース海外版「Fastladder.com」が「ma.la drafts code」のアナグラムになってる説はどうなったんだろう。


参考
livedoor Readerパーフェクトガイド