哀愁の散歩

幼馴染が二人いきなり訪ねてきた。幼馴染といっても一つ上の兄の友達で、近所にすんでいたこともありよく遊んでいた。クラス会ということで帰ってきたらしく兄を訪ねてきたのだが、いなかったので僕が相手をすることになった。近況報告だとか大学についてだとか話した後に、近所を散歩することに。
「ここでよくキャッチボールしたねえ」
「秘密基地まだのこってんじゃん」
「俺まっちゃんちの野球盤好きだったのに全然やらしてくれないんだもん」
「昔カエルかってなかったっけ?結構大きい奴」
「うわ、トトロ道が舗装されてる」
まだ大学生の3人だったが、小中学生をずっと遊び通した幼馴染には感慨深い散歩だった。あの頃は本当に毎日が楽しかった。大学に入ってもいつか思い起こしたくなるくらい楽しい日々を送れるのだろうか。