楽天koboがとるべき起死回生の一手

完全にネタになっているので言い出しにくいのだが、楽天koboのヘビーユーザーである。プラットフォームが楽天であるというリスクを気にしなければ、つまり、書籍を使い捨てコンテンツとして認識しているのであれば、現時点での電子書籍プラットフォーム最強はkoboであると考えている。


端末自体は問題ない。問題があったとすれば、立ち上がりのときセットアップと糞対応で、現在はファームアップデートされて、普通レベルになっている。僕が気に入っているのはクーポンで、ネット上のクーポンまとめサイトから拾ってきたクーポンコードを使えば、全書籍を安定して35%OFFで買うことができる。クーポンコードも、一定時間たてば同じものが使い回しできるという神仕様になっているため、やりたい放題だ。いつの間にかたまっていて、使い道がない楽天ポイントを使えば、感覚的にはほぼ無料で本を読んでいるという気になる。koboをたたいている人は、デバイスが好きだとか、新しいサービスが好きだとかで、おそらく本を読まない人なのではないのかと思う。


ただ、これは現時点での話であって、kindleがローンチすると話が変わってくる。kindleの方が書籍コンテンツが全体的に安いし、何よりも多少金払ってでも使いやすい方が良い。また、kindleにしかない読みたい本がいくつもあるのが決定打になっている。paperwhiteが届いたら、kindle独占コンテンツを読むためにしばらく使ってみるつもりであるが、もうkoboに戻ってこなくなるのではないのかという気はしている。


koboがいなかったら、海外では140$で品薄になるほど人気のkindleが8480円とかで売られることもなかっただろうし、洋書の価格も値上がり後にまた値下げしつつあることもなかったと思う。だが、amazonkindleストアを見る限り、コンテンツの値段といい、ラインナップといい、使い勝手といい、このままだとkoboは確実に死ぬと考えている。koboの活路はないのか。kobo電子書籍リーダーの立場を捨ててはどうだろうか。電子ペーパーサブディスプレイくらいの立ち居位置になるべきだ。


koboのサービスがamazonに負けているのは、もう明白だ。これをamazonに追いつけとリソースを割いても、リスクが高いだけで、元々弱小ベンチャーだったkoboが同じ戦略でamazonに追いつけるとは思えない。amazonと殴り合いをしようとしても負けるだけだ。なので、amazonとは全く違う路線を行くべきだ。


今後、すべての買い切り電子コンテンツプラットフォームは、定額課金でアクセスし放題という方向に流れていくと考えている。音楽ではspotify、動画ではhuluのように。そうなってきた場合、現在の書籍コンテンツは少し重すぎる。もっとライトな、それでいてブログよりも読み応えがあるようなコンテンツを大量に用意することが必要になってくる。メルマガや、雑誌の特集記事くらいだ。koboは、こちらに特化するべきだと考えている。


まぐまぐ」や「cakes」「ブロゴス」などのテキストファーム、「pocket」「Instapaper」などの後で読む系のサービス、「gunosy」などのキュレーションサービス、そういったところから導線を張りまくり、web上に「koboで読む」ボタンをばらまきまくって、電子ペーパーの読みやすさでテキスト出力機としての立場を確保する。そして、定額課金でアクセス権を売る(もちろん独自コンテンツを用意する必要があるが)。どさくさで電子書籍を買ってもらう。


そういった「電子ペーパーサブディスプレイ」の道を選ぶのがkoboの活路ではないだろうか。