警察をもっと褒めてやるべきだとジョジョを読んでいて思った
- 作者: 荒木飛呂彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1997/04/04
- メディア: コミック
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ジョジョではキャラクターにリアルなエピソードを加えることでキャラクターの魅力を引き立たせることが多い。第五部では主人公のジョルノ・ジョバーナがギャングの一員となってチームを組まされるのだが、そのチームの一員であるアバッキオというキャラクターのギャングに落ちるまでのエピソードが風刺的だ。
レオーネ・アバッキオは高校を卒業すると「警官」になった。それは正義感からの動機であったし心の底から人々を守りたいと思ったからであった。だが、あこがれの警官になってまもなくアバッキオはこの仕事の大いなる「矛盾」に気づき始めた。
警官は「命をかけて人々を守る」しかし同時にその命をかけて奉仕しているはずの大衆が自分たちの警官の目をごまかして盗みをやったり、車の人身事故で逃げたり、パトカーの窓を石で割ったりする。守るべき大衆とは、同時に悪知恵にとんだ油断のならない獲物でもあるのだ。彼らは恩知らずで要求がましく「警官は何をやってる!」と無責任に批判し、悪口を叩く。警官達がクソにも劣る悪党を命がけで捕まえても、大衆のための法律はカネさえつめばそいつらを寛大に保釈してしまう。
やがてアバッキオはこの矛盾に学び始めたーーー
この後アバッキオは汚職警官となり、後にギャングとなる。正義感の強い警官であったがために矛盾を許せないという実に皮肉なエピソードだ。この「正直者ほど馬鹿を見る」というのはまさに日本社会の縮図だと思う。
先日、交通警察24時を見ていたところ、スピード違反で捕まった人の同乗者が次のようなことを言っていた。「なんで覆面でパトロールしてるの?サイレンならして走ってた方が抑制にもなって良いんじゃないの?捕まえるのが目的なんて嫌なやつらだな。イケてねえ商売だなあ」
警察というのは市民全体を守るために市民の個人に嫌われるようなことをすることもあると思う。市民を守るのが当たり前という意識があるので結局嫌なイメージだけ残ってしまう。しかし、法治国家の安心感は警察があってこそだと思う。もっと警察は褒められるべきだし、感謝しなければならない。