最近の若者は日本語がなっとらんとか言う老害はさっさと天国に召されろ

日本語をただされるのって本当に腹が立つ。「全然大丈夫だろ」とか言っただけで「全然っていうのは否定形にしか続かないんだよ」とか脊髄反射で注意してくるご年配の方々がいて、さらには「最近の若者は正しい日本語も喋れないのか」とか言い出して一人で血圧をあげていらっしゃる。あほか。


基本的に言葉というのは進化するもので、正しい日本語などというのは存在しない。相手に伝わるかどうかが言葉としての価値な訳で、相手と意思疎通を図りやすい形に日々言葉は形状を変えている。従来とは全く違った意味で言葉が使われ始めて、そちら側が主流になった場合はそれが正しい日本語なわけで。


例えば「確信犯」って言葉は本来は「政治的な意図があってなされる犯罪」のことを言うのだが、今では「悪いことと認識していながらわざとなされる犯罪」という意味で使われている。しかし、会話や文章として「確信犯」という言葉を使う時は確実に後者だろう。前者の意味がいくら正しいといって使っても、ほとんどの日本人に正しい「確信犯」が伝わることは無い。日本語として死んでいるのだ。


その死んでいる日本語をいつまでも大事にしている懐古主義者の方々は何をもって正しい日本語といっているのだろうか。じゃあ古語をあなたは使いますか?日常会話で略語を使わないのですか?「正しい日本語」ってやつは相手も知っているのですか?相手も「間違った日本語」を覚えていて会話が成立している場合は何が「正しい日本語」なのですか?


大体、冒頭の「全然大丈夫」というのは夏目漱石の「坊ちゃん」にも確か書かれている。高校の国語の授業でその文を読んだときに軽く驚いたのを覚えている。超有名な文学作品でさえ「正しい日本語」は使われていない。つまり、あなた方が必死で守っている「正しい日本語」ってのはそんなものだ。いちいち僕らに押し付けてきてんじゃねえよ。


「綺麗な言葉使い」とか「美しい日本語」っていうのは確かにある。社会ではそれらの最低限の知識も必要だろう。しかし、それは「若者言葉」を嘆くのとはわけが違う。「若者言葉」も日本語の正統進化であり、日本文化なのだ。「最近の若者は言葉使いがなっとらんな」とか思っちゃった人たちは自分が日本文化のスピードについていけなくなったことを自覚すべきだと思う。



追記
ブコメで「坊ちゃん」の青空文庫を思い出して「全然」で検索をかけてみたら肯定形で続く形で3カ所使われているみたいです。

一体生徒が全然悪(わ)るいです。どうしても詫(あや)まらせなくっちゃ、癖になります

私(わたくし)は教頭及びその他諸君のお説には全然不同意であります。

来たなと思う途端(とたん)に、うらなり君の事は全然(すっかり)忘れて

http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/752_14964.html