ニコニコ動画で公式コンテンツを流すことについて再び考えてみた

ニコニコ動画はもうそろそろ新しいメディアとして始動しろよ
前回書いたエントリにかなりの反響があったので嬉しい限りだ。ブクマ数少ない割には反応多いなと思っていたら、トラックバックの方のURLでかなりの数のブクマがあったみたいだ。
無知なニコ厨が書いた妄想エントリにもかかわらず、建設的な意見を多数いただいたので新しく浮かんできた僕の意見を一つの考えとしてネットに放流しておこうと思う。


まず、前回のエントリの反応として多かったのが、無断うpがある限り公式コンテンツは意味ないよということと、保存されるから意味ないよというものだった。
僕はこのことはあまり気にしなくてもいい(なんとかなる)と思っている。まずニコ動はコメントにコンテンツとしての価値があるので、保存する奴はニコ動のターゲットではない。ニコ動を保存しようと考える奴はwinnyでも違法コンテンツを落としているだろうし、もともと公式コンテンツに金を払おうとしないだろう。
無断うpについてだが、これは単純に取り締まっていけば良い。イタチごっこになってでもしつこく厳しく取り締まっていくことで、違法コンテンツを不安定なものにし、ユーザーに違法コンテンツをタイミングよく探し出してゆっくりと視聴することを面倒くさくさせる。そうして、ちゃんと手間を省くおもてなしをすれば、金を払ってくれるユーザーは増えるはずだ。
この考え方はアップルのiTSの考え方で、アップルは違法ダウンロードが当たり前のデジタル音楽業界に「ダウンロードを保障する安心感」を武器に乗り込んでいき、勝利を収めている。


しかしこれにはやはり問題があり、いままで見逃していたグレーを黒と断言してしまわないといけなくなり、ニコニコ動画ニコニコ動画でなくなってしまう可能性があるということだ。ニコニコ動画は「徹底しないことを徹底する」via dankogai という最大の特徴があるのだが、その特徴を自ら侵すことになる。他のグレーコンテンツはどうなるという話になるので、やるとしたら急進的に徹底的にやる必要があるのだが、ひろゆきのことだから「試行錯誤中ですよー。みんなで道を模索しましょうねー。」みたいなぬるーい感じでのらりくらりと、やってしまえるのかもしれない。


あと、GyaOと同じじゃんという意見が多数見られたが、それはちょっと違うと思う。ニコニコは公式コンテンツの広告となるMADがととのっていることに価値がある。MADからDVDなどの公式コンテンツ販売までの距離をどれだけ縮められるかが今回のポイントなのだ。販売促進になると言ってるやつが多いけど、そんなことを言うのなら、それらのMADなどで本当に売る責任があると思う。だからこそMADから公式コンテンツまでの壁を可能な限り低くすることが重要なのだ。GyaOは公式コンテンツの販売では努力しているようだが、それは今回の論点からずれていると思う。


ここまで書いてみたが、実際のところニコニコ動画での新メディアとしてのビジネスモデルの確立はまだまだ理想論だ。しかし、今回のようにどんなに小さなアイデアでもどんどん出して、建設的な議論を重ねていくことで、これからのニコニコ動画の道を模索していけるのだと思う。


参考
Gyao かわいそう
アニメはテレビで流すべきじゃない、映画館で上映すべきだ
ニコニコ動画のアニメ問題を解決する1つの方法